<読書録> ある日突然、食う確と未来への希望をなくしたら、私は再起できるだろうか。ーアノスミアー
アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語
シェフを目指し、レストランで修行しつつ、料理学校に入学する目前だった著者(女性)が突然の交通事故で重傷を負い、嗅覚までも失ってから、再起して嗅覚を取り戻すまでのノンフィクション。
修業時代から自己発生、治療中のシーンはもう読んでいて本当に心が痛みました。
修業時代に学んだ数々のハーブやキノコの力強く、複雑で繊細な香り、それを突き詰めようと料理学校入学を決意していたそのときに起きた交通事故。
嗅覚を失ったと気がついた時の彼女の無念さ。
食が大好きなのに、味がわからないという現実。
ミルクもワインも
ケーキもクッキーも
チキンもビーフステーキも
香りが全くしないと、違いを判別するのが難しいそうです。
嗅覚障害の治療は未解明の部分が多く、完治が難しいのだそうです。
そんな中、何か糸口がないか猛烈な勢いで香りや嗅覚について調べ始める著者に少しずつ嗅覚が戻り始める…
学んだこと…道はひとつじゃない。腐らずに、焦らずに、ただできることをひたむきにやることの大切さ。
進みたかった道が突然、不条理に閉ざされたら…私はそこで座り込んでしまい動けなくなってしまうかもしれない。
でも、この本はもがき続ける大切さを私に教えてくれました。
ひとつ目の目標がダメになっても、できることをひたむきにやり続ければ、新たな道が開けてくることを。
この著者の場合、「もがき方」が半端なく、人並み以上だったからこそ「記者」という新たな道に進めたのだろう。
挫折してもとどまらず、力の限り手を、足を、頭を精一杯使って動き続けることの大切さを学びました。
おススメの本です!